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データベース設計 - 25語(シラバス9.1)

データ重複の排除

データベースやデータセット内で同じ情報が重複している部分を取り除くプロセスである。この技術は、データの整合性を保ちながら、ストレージの効率を高めるために用いられる。例えば、顧客情報を管理する際に、同じ顧客が複数回登録されている場合、それを一つに統合することで、無駄なストレージ使用を削減し、データ分析をより正確に行えるようにすることができる。また、データ重複の排除を実施することで、分析結果の精度が向上するため、ビジネス上の意思決定がより良いものとなるのである。

メタデータ

データを補足する情報のことである。具体的には、データの内容、形式、構造、作成日時、作成者などの情報を指す。この情報は、データを理解しやすくし、効率的に管理するために重要である。例えば、写真のファイルには、撮影日時やカメラの設定、位置情報などのメタデータが含まれることが多い。これにより、どのような状況で撮影されたのかを容易に把握でき、後から検索や整理を行う際に役立つ。また、データベースやデータ分析の際には、メタデータがデータの意味を理解する手助けをし、情報の信頼性を高めることにつながるのである。

データディクショナリ

データベースにおけるデータの構造や属性に関する情報を格納するシステムである。具体的には、テーブルの定義、カラムのデータ型、制約条件など、データを正しく理解し、管理するための詳細な情報が含まれている。この情報を持つことで、データの利用者はデータベース内の情報を効率よく検索したり、データの整合性を保ったりすることができる。例えば、顧客情報のデータディクショナリには、顧客IDや名前、住所などの項目の説明が含まれており、データを扱う際の指針となる。また、新しいデータを追加する際や、既存データを変更する際にも、この情報が重要な役割を果たすのである。

概念データモデル

データベースの設計において、情報の構造や関係を図示するための抽象的なモデルである。このモデルは、実際のデータベースがどのように構築されるかを示す前段階として用いられ、利用者やビジネス要件に基づいてデータの要素やその関連性を明確にする役割を持つ。例えば、顧客情報や製品のデータを整理する際に、それらの関係を分かりやすく示すことで、情報システム全体の設計がスムーズになる。また、具体的な技術やデータ形式に依存しないため、異なるシステム間でのデータの共有や統合を促進することができる。これにより、データの整合性や活用の効率が向上するのである。

エンティティ

データベースにおいて独立した存在を表す概念である。具体的には、情報を管理する対象となる物や事柄を示し、例えば「顧客」や「商品」などが該当する。各エンティティは属性を持ち、例えば「顧客」には名前や住所、電話番号といった情報が紐づけられる。このようにエンティティを定義することで、データを整理しやすくなり、必要な情報を効率的に検索・管理することが可能となる。また、エンティティ同士の関係性を明確にすることで、データモデル全体の構造を理解しやすくし、データベースの運用や維持管理の向上に寄与するのである。

属性

データベースにおいて、エンティティ(実体)を構成する特性や性質を示す要素である。具体的には、たとえば顧客情報における「顧客ID」や「名前」、「住所」などが属性となる。これらのエンティティのデータを詳しく表現するために必要で、正確な情報管理を行う上で重要な役割を果たす。また、属性のデータ型には、文字列、整数、日付などがあり、それぞれの特性に応じた適切な管理が求められる。データベース設計では、属性を適切に定義することで、データの整合性や一貫性が保たれ、システム全体の効率的な運用が可能となるのである。

リレーションシップ

データベースにおいて異なるテーブルやエンティティ間の関連性を示す概念である。リレーションシップを利用することで、異なるデータがどのように結びついているかを明確に表現できる。例えば、顧客情報を持つ「顧客」テーブルと、注文情報を持つ「注文」テーブルがある場合、顧客がどの注文を行ったかという関係をリレーションシップによって定義することができる。これにより、データベース内での情報の一貫性を保つことが可能となり、効率的にデータを取得したり管理したりすることができる。リレーションシップの種類には、一対一、一対多、多対多があり、それぞれの関係性に応じて適切に設計することが求められる。

カーディナリティ

データベースにおけるテーブル同士の関係性を表す概念である。具体的には、一つのテーブルのレコードが他のテーブルのレコードとどのように関連しているかを示す。たとえば、「1対1」の関係では、一つのレコードがもう一つのレコードとちょうど一対一で対応している場合を指す。次に、「1対多」の関係では、一つのレコードが複数のレコードに対応する状況を表現している。この場合、親レコードが子レコードを持つイメージになる。「多対多」の関係では、両方のテーブルが互いに複数のレコードに対応することを示し、多数のレコード同士が関連する複雑な構造を形成する。これらのカーディナリティを理解することは、データベース設計の効率性や一貫性を保つために非常に重要である。

主キー

データベースにおいて各レコードを一意に識別するための属性や項目である。同じテーブル内で重複しないように設定され、これによって特定のデータを効率的に検索したり管理したりすることが可能となる。例えば、顧客データベースでは、各顧客に割り当てられたID番号が主キーとして機能し、同じ顧客が複数存在しないよう保証する。主キーの存在により、データの整合性が保たれ、他のテーブルとの関係性もスムーズに構築されるため、リレーショナルデータベースの基本概念として極めて重要な役割を担っている。

外部キー

データベースにおいて、他のテーブルの主キーを参照するためのフィールドである。これにより、異なるテーブル間での関連性を保持し、データの整合性を保つ役割を果たす。例えば、顧客情報のテーブルと注文情報のテーブルがある場合、注文テーブルの顧客IDが外部キーとなり、顧客テーブルの主キーであるIDを参照する。これにより、特定の顧客が行った注文を容易に追跡できる。また、外部キーにより、データの重複を避けることができ、データベース全体の効率を向上させることにも寄与する。

論理データモデル

データベースの論理設計において、データの概念や構造を表現したモデルである。このモデルは、実際のデータを物理的にどのように保存するかではなく、データ同士の関係や属性を重視している。具体的には、エンティティ(データの項目)やそれらの間のリレーション(関係)を定義し、データがどのように組織されるべきかを明示する役割を持つ。例えば、顧客情報を管理するためのテーブルに、顧客名、住所、電話番号などの属性を設定し、それぞれのデータの関連を成熟させることができる。また、この論理モデルは、物理データモデルを設計する際の基盤となり、データベースの効率的な構築や運用に寄与するものである。

フィールド

データベースにおいて、特定のデータを格納するための項目を指す。つまり、データベースの表における列のことで、それぞれのフィールドは特定の情報の種類を持つ。例えば、顧客情報を管理するデータベースでは、「顧客名」「電話番号」「住所」などがフィールドに該当する。各フィールドには、それぞれ異なるデータ型が設定され、数値や文字列、日付など様々な形式のデータを保存することができる。このように、フィールドはデータの構造を形成し、情報を整理して効率的に検索や管理を行えるようにする重要な役割を果たしている。

レコード

データベースにおける情報の単位であり、特定のエンティティに関する属性(情報)の集まりを指す。具体的には、テーブルにおける1行のことを指し、各列には異なる種類のデータが格納される。例えば、顧客情報を管理するテーブルでは、1つのレコードが1人の顧客に相当し、その顧客の名前、住所、電話番号などが列として存在する。この構造により、データの整理と管理がしやすく、特定の情報を迅速に検索・抽出できる特徴がある。データベースの運用や情報分析において基本的な役割を果たしている。

ファイル

コンピュータ上でデータを蓄積し、管理するための基本的な単位である。具体的には、文書や画像、音声などさまざまな種類のデータが格納されている。たとえば、テキストファイルには文章が保存され、画像ファイルには写真や画像データが含まれる。ファイルはフォルダーを使って整理され、必要な情報を簡単に見つけられるようになる。特にデータベースの論理設計においては、データがファイル形式で保存され、企業や組織が効率的に情報を取り扱う助けとなる。これにより、データの安全な保存や迅速なアクセスが可能となり、業務の効率向上につながる。

NULL

データベースにおいて「無」とか「値が存在しない」という状態を表す特殊な値である。通常、データベースにおいて各フィールドにはデータが格納されるが、何らかの理由でその値が欠けている場合にNULLが使用される。たとえば、ある顧客の電話番号が未知の場合、そのフィールドにNULLを設定することができる。このように、NULLはデータの完全性を保つために重要であり、欠損データを明示的に示す役割を果たしている。なお、NULLは他の値(例えば数字や文字列)とは異なり、計算や比較の際には特別な扱いが必要であり、NULLと何かを比較すると常に「FALSE」とNULLため、注意が必要である。

一意性制約

データベースにおいて、特定の列の値が全ての行で異なることを保証するルールである。これにより、同じデータが重複して登録されることを防ぐ役割を果たす。たとえば、ユーザー情報を管理するデータベースにおいて、メールアドレスが一意性制約を持つ場合、同じメールアドレスを持つユーザーを二人以上登録できない。これにより、データの整合性が保たれ、後からデータを参照する際に混乱を避けることができる。プライマリーキーとともにデータの識別に重要な役割を果たし、データベース設計における基本的な要素となっている。

第1正規形

データベースにおける正規化の最初の段階を指す概念である。この形においては、テーブル内のすべてのデータが原子性を持つこと、つまり、各フィールドが単一の値を持つ必要がある。複数の値を含むフィールドが存在してはいけないため、データの重複を避けることができ、データ整合性が保たれる。また、第1正規形を適用することで、データベースの設計が明確になり、後の段階での管理や操作が容易になる。この概念は、効率的なデータベース設計に不可欠な要素であり、データの有効利用を促進する。

第2正規形

データベース設計において、テーブルの構造を整理し、冗長性を減少させるための基準の一つである。まず第1正規形を満たしていることが求められ、その上で、すべての非キー属性が主キーに完全に依存している必要がある。つまり、一部の主キーに依存する非キー属性が存在しないことが要件である。この方法により、データの更新や削除の際に生じる異常を防ぎ、データの整合性が保たれる。一例として、受発注管理システムのテーブルを考えると、顧客情報と商品情報を分けて管理することで、効率よくデータを処理できるようになる。

第3正規形

データベース設計において、データの冗長性を排除し、整合性を高めるためのルールの一つである。具体的には、テーブル内の全ての属性が、そのテーブルの主キーに完全に依存し、他の非キー属性には依存していない状態を指す。これにより、例えば一つのテーブルに同じ情報が何度も繰り返されることを防ぎ、データの更新や削除時に生じる不整合をマネジメントしやすくなる。このプロセスを踏むことで、データベースの運用が効率的になり、データ自体の信頼性も向上するため、良好なデータ設計の基礎となる。

完全関数従属

データベースにおいて、ある属性が他の属性に完全に依存している状態を指す。この場合、依存先の属性が特定の属性の値のみで決まるとされ、部分的な依存が存在しない。たとえば、学生の情報を含むテーブルにおいて、学生IDが学生名を決定する場合、学生名は学生IDに完全に従属している。このような完全関数従属を理解することは、データの正規化において重要であり、冗長性を減らし、データの整合性を保つための基礎となる。正規化が進むことで、データベースの設計が効率的になり、データの更新や検索が容易になる。

部分関数従属

データベース設計における正規化の概念の一つで、ある属性が部分的に主キーに依存している状態を指す。具体的には、主キーの一部が他の属性を決定する関係であり、主キー全体ではなく一部分に依存していることを意味する。たとえば、学生の成績を管理するテーブルで、学生IDと科目コードを組み合わせた主キーがある場合、科目名が科目コードによってのみ決定されるとき、科目名は部分関数従属にある。この場合、データの冗長性が生じやすく、正規化を行うことでより効率的にデータを整理することが可能である。正規形に変換することで、データの整合性を保ちつつ、不要な重複を減らすことができる。

推移関数従属

データベースにおける正規化の概念の一つで、ある属性が他の属性に依存している関係を示すものである。具体的には、属性Aが属性Bに依存し、属性Bが属性Cに依存する場合、属性Aは属性Cにも間接的に依存しているとされる。このような関係を理解することは、データの冗長性を減らし、記録の整合性を保つ上で重要である。たとえば、顧客情報が格納されたテーブルで、顧客IDから顧客名が得られ、その顧客名から住所が得られる場合、顧客IDは住所に推移関数従属している。これにより、データベース設計の際には、必要な属性のみを独立して持つようにすることが推奨される。

ディスク容量見積り

データベースの物理設計において、必要なストレージ容量を予測するプロセスである。この見積りは、格納されるデータの種類や量に基づいて行われる。たとえば、各テーブルに保存されるデータのサイズを計算し、それにインデックスやログファイルのサイズも加味することで、総容量を求めることができる。また、成長予測を考慮し、将来的に必要となるストレージの余裕を持たせることも重要である。これにより、データベースのパフォーマンスを維持し、運用の安定性を確保することが可能になる。ディスク容量の不足は、システムのダウンやデータ損失につながる恐れがあるため、慎重な計画が求められる。

論理データ構造のマッピング

データベースにおける論理モデルと物理モデルを関連付けるプロセスを指す。論理モデルは、データの関係性や構造を表現し、どのようなデータが必要かを示すのに対し、物理モデルは実際にデータベースシステム上でデータをどのように保存するかを具体化する。たとえば、テーブルの設計やインデックスの設定が該当する。このマッピングによって、論理的に設計されたデータ構造を効率的に実装でき、データアクセスの速度やストレージの最適化が実現される。また、論理と物理の整合性を保つことができるため、データベースの運用管理やメンテナンスも円滑に行える。

性能評価

システムやソフトウェアの動作がどれだけ効率的かを測定、分析するプロセスのことである。特にデータベースの物理設計においては、データベースが要求される処理速度や応答時間、リソースの使用率などを評価することが重要である。具体的には、クエリの実行時間を測定したり、同時接続数によるパフォーマンスを確認したりすることが含まれる。これにより、ボトルネックを特定し、必要な改善を行うことで、システム全体のパフォーマンスを向上させることが可能である。特に大規模なデータを扱う際には、性能評価が欠かせないステップである。
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