平成28年秋期試験午前問題 午後問4

問4 ネットワーク

Web画面の表示に要するデータ転送時間に関する次の記述を読んで,設問に答えよ。

 D社は,自社のWebサイトをインターネット上に公開している。
 D社では,Web画面1ページを構成する全データの転送に掛かる時間を,5秒以内に収めるよう基準を定めている。個々のデータの転送に掛かる時間は,D社が定めたデータ転送時間計算モデルを基に算出する。
 D社が定めたデータ転送時間計算モデルは,次のとおりである。
  • ターンアラウンドタイム(ブラウザ,サーバ間で短いメッセージが往復するのに掛かる時間) t=0.005(秒),実効転送速度(サーバ,ブラウザ間におけるデータ転送の速さ) e=1×106(バイト/秒)とする。
  • ブラウザはキャッシュ機能をもっている。Web画面を表示する際に,必要なデータがブラウザにキャッシュされているときは,サーバに当該データの再転送の要否確認を要求する。再転送が必要な場合は,応答として当該データが転送される。
  • ブラウザが,サーバに対して要求を送信し始めてから,要求に対する結果の受信が完了するまでに掛かる時間を,表1に示す。
  • 表1に関わる通信処理は逐次実行され,複数の通信処理が並行して行われることはない。また,表1で示した時間以外は無視する。
pm04_1.gif
 D社では,自社が取り扱う商品の情報を画像付きで一覧表示する機能(以下,一覧表示機能という)を,Webサイトに付加することにした。
 一覧表示機能を実現するに当たり,商品情報を一覧表示するWeb画面(以下,一覧表示画面という)1ページで表示する商品情報の最大数を,一覧表示画面を構成するデータの転送に掛かる時間を基に決定したい。一覧表示画面は,表示する商品の数にかかわらずに必要になるデータ(以下,固定データという)と,表示する商品の数に応じてデータサイズや個数が変動するデータ(以下,変動データという)で構成される。
 固定データはJavaScriptファイルやスタイルシート,画面の装飾に使う画像データなど合計100個あり,固定データ1個の平均サイズは 5×103バイトである。
 変動データは,一つのHTML文書データと,表示する商品n個分の画像データから成る。HTML文書データのサイズは,104+500×n バイトである。商品の画像データ1個の平均サイズは 25×103 バイトである。

 固定データの全てがブラウザにキャッシュされているとき,それぞれのデータごとにデータの再転送の要否確認をサーバに要求したところ,全てに再転送が不要であるとの応答を受け取った。最初の要求をしてから最後の要求に対する応答を受け取るまでに掛かる時間はa秒である。
 固定データのいずれもがブラウザにキャッシュされていないとき,これらの固定データの総転送時間はb秒である。このとき,一覧表示画面1ページを構成するデータの転送時間がD社の基準を満たす商品情報の最大数nは,次式を解くことによって求めることができる。ここで,変動データもブラウザにキャッシュされていないものとする。

  b+3×t+c+(3×t+d)×n≦5

設問

本文中の に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。
a,b に関する解答群
  • 0.005
  • 0.015
  • 0.02
  • 0.5
  • 0.515
  • 1
  • 1.5
  • 2
c,d に関する解答群
  • 104+500
  • 104+500×n
  • 25×103
  • 25×103×n
  • pm04_2o.gif
  • pm04_2ka.gif
  • pm04_2ki.gif
  • pm04_2ku.gif
解答選択欄
  • a:
  • b:
  • c:
  • d:
  • a=
  • b=
  • c=
  • d=

解説

aについて〕
固定データは合計100個で、各データごとに再転送の要否確認が行われます。要求応答は逐次実行され、複数の通信処理が並列して行われることはないため、aは100回分の要求応答の合計時間になります。表1より再転送が不要な場合の1回の要求~応答受信に掛かる時間は「t」とわかるので、100回に掛かる時間は単純に t×100 です。

 t=0.005
 0.005×100=0.5

a=エ:0.5

bについて〕
表1より再転送が必要な場合の1回の要求~応答受信に掛かる時間は「3×t+v+e」とわかります。vは転送データのバイト数で、固定データのサイズである 5×103 が入ります。また t(0.005秒) と e(1×106バイト/秒) なので、1回の要求~応答受信に掛かる時間は t,v,e に各値を代入した次の式で求められます。

 3×0.005+5×103÷1×106
=0.015+5,000/1,000,000
=0.015+0.005
=0.02(秒)

固定データは100個なので上記の通信が100回行われます。

 0.02×100=2(秒)

b=ク:2

cdについて〕
本文中に固定・変動データともにブラウザにキャッシュされてないという条件があるため、全てのデータが転送されたときに掛かる時間を考えていきます。

Web画面を構成するデータは「固定データ」と「変動データ」に分類されます。さらに変動データは「HTML文書データ」と「商品の画像データ」から成るため、データ転送に掛かる時間は次の3つの時間の合計になります。

 固定データの転送時間+HTML文書データの転送時間+商品の画像データの転送時間

本文中の不等式は、この3つの時間の合計が5秒以下となる範囲で最大の n を求めるものです。bには先程計算した固定データ転送時間の算出式が入るため、残るcdにはHTML文書データ、または商品の画像データを計算するための式が入ることになります。

HTML文書データと商品の画像データは、商品個数が n のとき以下のデータ量になります。
  • HTML文書データ…104+500×n
  • 商品の画像データ…25×103×n
表1よりデータがキャッシュされていない場合の1回のデータ転送時間は「3×t+v÷e」とわかります。この式の v にデータのバイト数を代入してデータ転送時間の算出式を導きます。このときHTML文書データは商品個数が幾つでも1回の要求応答で済みますが、商品の画像データは画像の個数分(n回)の要求応答が生じることに注意しましょう。

[HTML文書データ]
 3×t+(104+500×n)/e

[商品の画像データ]
画像データ1個の転送に掛かる時間
 3×t+(25×103)/e
画像データn個の転送に掛かる時間
 (3×t+(25×103)/e)×n

本文中の不等式の括弧の有無から、cにはHTML文書データの転送時間を表すpm04_2ka.gifが、dには商品の画像データの転送時間を表すpm04_2ki.gifが入ることがわかります。

∴c=カ:pm04_2ka.gif
 d=キ:pm04_2ki.gif
pm04_3.gif

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