令和7年試験問題 [科目A]問18

午前試験免除制度対応!基本情報技術者試験のeラーニング【独習ゼミ】
物販事業において,ロングテールをビジネスとして成功させるために必要な施策はどれか。

  • 多くの有名ブランド店が出店するショッピングモールの構築
  • 交通の利便性が高い地域に対する,生活必需品を広く浅く取りそろえた出店計画
  • 店舗で購入した商品を近隣地域に無償で配送するサービスの実施
  • 豊富な品ぞろえと,在庫コストや配送費用を抑えるための大規模な物流センタの構築や活用
正解 問題へ
分野 :ストラテジ系
中分類:ビジネスインダストリ
小分類:e-ビジネス
解説
ロングテールは、膨大な商品を低コストで扱うことができるインターネットを使った商品・サービスの提供では、実店舗では陳列されにくい販売機会の少ない商品でも、それらを数多く取りそろえることによって十分な売上を確保できることを表す言葉です。

一般に商品の売上は「全体の2割の優良顧客が全体の売上の8割を占め,全商品の上位2割が8割の売上を占める」というパレートの法則に従うため、実店舗では売場面積や物流などの問題から上位20%の商品を優先的に販売しています。しかし、インターネット販売では商品をデータベースに登録するだけで膨大な商品点数を揃えることができます。マイナー商品はほとんど売れませんが、たまには売れます。小さいけれども確かにあるニッチ需要を幅広く拾うことで、実店舗では実現不可能部分で大きな売上を集めることができます。AmazonやNetflix、Spotifyなどがロングテール戦略で成功した企業の代表例です。

ロングテールの恩恵を受けることができるのは、扱える商品点数に限りがないインターネット販売です。実店舗販売ではロングテール戦略は成立しないため、「ア」「イ」「ウ」は不適切となります。したがって「エ」が正解です。

膨大な商品点数を用意することはロングテール戦略の前提です。その上で個々の在庫・配送コストが販売利益を上回ってしまっては本末転倒なので、物販ではこれを抑える仕組みが不可欠です。ロングテール戦略の代表例であるAmazonもそうであるように、大規模物流センターに在庫を集約し、自社で物流を集中・効率化して規模の経済を働かせることが戦略上重要となります。

Pagetop